「永遠のソール・ライター」ニューヨークが生んだ伝説の写真家展覧会@Bunkamura ザ・ミュージアム

2017年日本での初展覧会で人気を博したNYの伝説の写真家ソール・ライター。カラー写真のパイオニアである彼の作品が2020年再び、未公開作をひっさげてBunkamura ザ・ミュージアムで開催!ということで行ってきました展覧会「永遠のソール・ライター」。2017年秋に実際NYのソール・ライターのアトリエを訪れた時に目にした彼のパレット🎨や油絵、時計や椅子などの愛用品が今回の展示に持ち運ばれ、愛情溢れる空間でした。渋谷での展示は9/28(月)まで!新型コロナで一度は中止されてしまった展覧会ですが渋谷での再開に続き来年京都でも開催されるとのこと。

渋谷での展示は今日で終わってしまいますが、ソール・ライターにまつわる映画、書物も素晴らしいのでここで触れていきます。

ソール・ライター自身が登場するドキュメンタリー映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』

『Early Color』の出版を機に晩年最注目された写真家で、独特な人生観を映し出すこのドキュメンタリーもおすすめです。amazon primeにあります。予告でも分かるとおり、ちょっと偏屈というかニヒルでありながらチャーミングなソール・ライターは現代写真の巨匠ロバート・フランクと共通するものがあります。二人は年齢も近く、写真家であり、NYのイーストビレッジ界隈の住人で徒歩10分圏内、そしてちょっと気難しそうでありながらも周りの人を虜にする人柄も。

そのことについては2017年ソール・ライターのアトリエを訪れ、その足でロバート・フランクに出会えた奇跡の1日の回想ブログをご覧ください。

【NYひとり旅】ブルーノ・マーズ→ソール・ライターStudio→現代写真の巨匠ロバート・フランクを訪れる

話を戻しまして、1950年代からファッション誌のカメラマンとして活躍後、NYの街並みを独特の構図で切り取るソール・ライターの写真は何気ない日常の中の美をとらえ、見ているこちらはハッとさせられます。「あーもしかしたら私たち、こんなふうに美しい日常を見過ごしていやしないか」という気持ちになる。と同時に「世界は素敵なもので溢れてる」というワクワクも浮かび上がってきます。展覧会会場を出た後には、普段の街並みを新鮮な目で見つめることができるでしょう。

そして色彩が素敵。心躍るようなカラフルな色合いから、色あせたような風合いのものまで。これはカラーフィルムが高価だった当時、使用期限切れのフィルムを使っていたことによるものだそうでなんとも味があります。写す対象とは一定の距離感があり、被写体の人物は小さめ、独特のアングルに魅了されます。

中でも雪化粧の往来に浮かび上がる足跡と赤い傘の写真が心にしみました。目を凝らしてみると踏みしめた足跡とぱらつく雪の様子から雪が降る時のシンとした静けさが思い起こされ、この写真の中に入り込むような体験をしました。

『足跡:Footprints,c. 1950』(ポストカード)

2017年の展覧会ではNYの街並みの写真やファッション誌時代の写真が主でしたが、今回は妹や恋人のソームズの写真のコーナーも設けられ、よりソール・ライターのパーソナリティが浮かび上がる展示になっています。

成功や愛といった事柄について彼が言及した言葉の数々が写真とともに展示され、それらを見るひとときは人生の豊かさとは何かを問いかけられる時間でもありました。そしてソールと恋人ソームズのパートナーシップの素敵さと言ったら❤️心底お互い愛し合っていたのだなぁ。ソームズを魅力的に捉えています。

写真家が語りかけてくる言葉に耳を傾けながら、これからの未来を見つめる時間を過ごしました。個人的にはスペニットというソールが写真を名刺サイズに手でちぎった作品群が可愛くておすすめです。

この展示で唯一写真を撮れるスポットがこちら。いずれもイーストビレッジのソール・ライターのアトリエにあるもので本展覧会に合わせて日本に持ち運ばれたもの。

ソール・ライターが愛用していた時計やパレット、ソールと恋人ソームズが描いた油絵

2017年にアトリエを訪れた際、ソール・ライター財団のマーギットがこのパレットを手に持たせて写真を撮ってくれました。アトリエから見える中庭、穏やかなひとときを思い出します。

この展覧会を思い出すと温かな気持ちになるのは、展示会場全体に愛が充満しているからのように思うのです。

それはソールが自分の生活圏内で見つけた愛するもの達を切り取った写真の数々。

そして作家の死後もこうして未公開作品が発表され続ける、その裏側にあるソール・ライター財団の愛情と情熱によるもの。

ソール・ライター財団のマーギットとマイケル。2017年アトリエで温かく迎え入れてくれた。マイケルは日本語を習っていたこともあり時折日本語を交えての会話。マーギットは未公開のアーカイブを見せてくれた。

ソール・ライター財団のマーギット・アーブとマイケル・パリーロ。この二人の尽力により、まだ現像されていない写真が発掘され、アーカイブ化されながら世に広まっています。その愛情深さが展覧会を温もりあるものにしていることは間違いなし。

今回の展示はそもそもこの冬Bunkamuraザ・ミュージアムを起点に全国で展開される予定の展覧会でしたが、新型コロナの影響で東京の会期終了が迫った2月に開催中止を余儀無くされ、以降京都の展示も中止となったものの、コロナの影響が深刻化するNYへ展示物を返せないことから、日本で改めて開催する運びとなった、ミラクルな展示です。京都での開催も2021年に決まったとのこと。渋谷の展示は9/28で終了してしまいますが、京都の展覧会も楽しみの一つということでぜひ皆さん足を運んでみてください。

今回も展覧会のグッズコーナーが充実しています。

ポストカード、お手紙出す用と保管用に他にもいろいろ買っちゃいました。

そして前回の展覧会に続いて今回の図録も何度でも読み広げたくなるような素晴らしい書物となっていておすすめです。展覧会会場で購入すると、特典ポストカードがついてきてお得ですね。

図録『永遠のソール・ライター』(小学館)前作『ソール・ライターのすべて』もおすすめ。

なんだかんだいっぱい書いちゃったので、2017年にソール・ライター アトリエを訪れた時のことについては次回の記事で。それではソール・ライター展、はたまた図録をお楽しみくださいませ。

https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_saulleiter_encore/

展覧会「永遠のソール・ライター」

会場:Bunkamura ザ・ミュージアム2020/7/22()9/28() 10:00-18:00

会場:美術館「えき」KYOTO (京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)2021213日(土)~328日(日)

 

 

プロフィール

川嶋一実
川嶋一実
週末女優-女優×製薬会社OL-
聖心女子大学卒。現役OLかつ国内外で舞台・映画出演の他、メディアでの執筆など活動の幅は多岐にわたる。
2011年人生の転機を求めてひとりニューヨークに飛び込み、翌年アメリカで舞台『HITOMI』に主演。
以降、女の二人芝居『たまことゆかり』(作:五戸真理枝/文学座)をプロデュース・主演したり、ドイツの報道番組で独自のライフスタイルが紹介された。現在、TEDxTalksでのトーク動画『The Power of Diving into a New World 飛びこむ力』が公開中。今後は映画製作に挑戦する。
詳しいプロフィールはこちら